秋田犬を長年にわたり大切に繁殖されている方や、展覧会に出る秋田犬を管理されている方は、愛犬のために、きちんとした犬舎を用意しています。
それには、理由があります。
秋田犬は、北国生まれの犬。
その身体には、
「針毛」と、その内側を包む「綿毛」。
二重の被毛が、冷たい外気から身体を守っています。
そして秋田犬は、寒さに強い犬種です。
寒さの中でこそ、毛は豊かに吹き、
その美しい被毛は、秋田犬本来の力強さと美しさを見せてくれます。
だからこそ当犬舎は、
「ただ雨風をしのげればいい」ではなく、
秋田犬が秋田犬らしく、健やかに暮らせる環境をつくること。
それもまた、秋田犬を愛し、次の世代へつないでいく者の大切な責任だと考えています。
犬舎は、単なる「犬を入れておく場所」ではありません。
一頭一頭の命を守り、秋田犬本来の美しさと健やかさを育む場所。
そこには、秋田犬への深い愛情があります。
左の写真は、一冬を室内で過ごした秋田犬。
右の写真は、一冬を風通しのある屋外の犬舎で過ごした秋田犬。
写真を見比べていただくと、被毛の「吹き方」に大きな違いがあることがお分かりいただけると思います。
なぜ、ここまで違いが生まれるのでしょうか。
秋田犬は、厳しい寒さの中で生きてきた耐寒性に優れた犬種です。
長い「針毛」の内側には、密度の高い「綿毛」があります。
その豊かな被毛こそが、秋田犬の身体を寒さから守る大切なもの。
だからこそ、秋田犬にとって大切なのは、
ただ暖かくしてあげることではありません。
むしろ、密閉された環境では、豊かな綿毛が熱や湿気を抱え込み、秋田犬にとって負担になることがあります。
たとえば、想像してみてください。
もし私たち人間の身体が、秋田犬と同じように、地肌から密度の高い綿毛に覆われていたら――。
その状態で、風の通らないプラスチック製の小屋や、窓の少ない密閉されたログハウスの中に入ったら。
暑い。
蒸れる。
息苦しい。
……きっと、私たちも「ここから出たい」と思うのではないでしょうか。
だからこそ、私たちは犬舎にこだわります。
高床式にすることで地面からの湿気を避け、風が通り抜ける空間をつくる。
秋田犬の身体が本来持っている力を尊重し、
その被毛が健やかに育つ環境を整える。
犬舎とは、単に犬を雨風から守る「小屋」ではありません。
その犬種が、本来の姿で、健やかに生きるための「住まい」です。
秋田犬を愛するからこそ、
「人間にとって快適な環境」ではなく、
「秋田犬にとって、本当に快適な環境とは何か」
を考えたい。
一頭一頭の健康と、その美しい被毛のために。
それが、Puppy-Gardenが犬舎づくりに込めた想いです。
秋田犬にとって本当に快適な環境とは何なのか。
私たちは、そこから犬舎を考えました。
高床式にして、床下には風が通るようにスノコを設ける。
地面からの湿気を避け、下からも風が抜ける。
そして、天井は高く。
空気がこもらず、風が自然に抜けていく。
「暖かくしてあげる」だけが、犬への優しさではありません。
暑い日がある。
寒い日がある。
風の強い日もある。
そんな自然の変化を身体で感じながら暮らすことも、犬が本来持っている身体の機能や体温調節能力を保つうえで大切だと私たちは考えています。
外の空気を感じ、季節を感じる。
それは、秋田犬が持つ強さを大切にするということ。
人間が快適だと思う環境に、すべてを合わせるのではなく、
「秋田犬にとって何が幸せなのか」
それを考えることが、本当の愛情ではないでしょうか。
秋田犬は、よく眠ります。
一日の多くを穏やかに休み、安心できる場所で静かに過ごすことを好む犬です。
だからこそ、必要なのは刺激の多い場所ではありません。
安心して眠れる。
外の空気を感じられる。
雨風から守られている。
そして、いつでも静かに休める。
そんな「自分の居場所」です。
犬舎は、秋田犬を閉じ込める場所ではない。
秋田犬が安心して眠り、自然を感じ、秋田犬らしく生きるための「家」なのです。
守りたいのは、ただ一頭の犬ではありません。
その犬が本来持っている、
強さも、健やかさも、秋田犬らしさも。
そのすべてを大切に育てていきたい。
だから、Puppy-Gardenは犬舎にこだわります。
ここまでお読みいただければ、
なぜ当犬舎が秋田犬の犬舎を高床式にこだわっているのか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、本当に大切なのは、
「高ければいい」ということではありません。
一頭一頭の状態に合わせて、適切な高さを考えること。
お産を控えた牝犬の場合は、犬舎の床を地面から約一尺(30cm)程度に調整し、お腹の中の小さな命にも配慮します。
一方、妊娠していない通常時には、牡・牝ともに二尺(約60cm)以上を目安に床を高くし、さらに天井も高くする。
床下から風を通し、上にも空気の逃げ道をつくる。
特に、夏の蒸し暑く湿気の多い季節でも、秋田犬が少しでも快適に過ごせるように。
犬舎の一寸、一尺にも理由があります。
そして、もう一つ大切なのが「広さ」。
犬舎は、ただ広ければ良いというものではありません。
広すぎると、犬がその中で排泄する習慣がついてしまうことがあります。
秋田犬が安心して休み、清潔に暮らせるためには、
「広すぎず、狭すぎず、その犬に合った空間」が大切です。
秋田犬が、健やかに、穏やかに、気持ちよく暮らせる場所をつくること。
床の高さも。
風の通り道も。
天井の高さも。
犬舎の広さも。
すべては、秋田犬のために。
それが、Puppy-Gardenの考える
「秋田犬のための犬舎」です。
犬舎をお考えの方には、犬の性格や頭数、飼育環境などによって適した設計が変わりますので、詳しくはぜひ当犬舎へご相談ください。
犬舎を建てる時、
高さや広さと同じくらい大切なのが、「どの方向を向いているか」です。
私たちが理想と考えているのは、
東を正面に、 西を背にすること。
朝、東から昇る太陽の光を浴び、
一日の始まりを自然の中で迎える。
太陽の光は、犬の健康な生活リズムを支える大切な要素です。
だからこそ、できる限り避けたいのが、
西日を真正面から受ける犬舎。
午後から夕方にかけて強く照りつける西日は、犬舎内の温度を上げ、秋田犬の身体に大きな負担をかけることがあります。
特に、豊かな被毛を持つ秋田犬にとって、
強い日差しと暑さは決して小さな問題ではありません。
だから私たちは、
「犬舎を建てる場所」だけではなく、「犬舎をどちらに向けるか」まで考えます。
どうしても東向きにできない場合でも、
西日を正面から受ける向きを避け、夏の直射日光が犬舎に入り込みすぎないよう、ヨシズなどで日陰をつくる。
ほんの少しの工夫が、
秋田犬の過ごしやすさを大きく変えることがあります。
朝の光を浴びる。
風を感じる。
強い西日から身を守る。
それは、特別なことではありません。
秋田犬が本来持っている身体と、自然の力に寄り添って暮らすこと。
犬舎は、ただ建てればいいものではない。
太陽の向きまで考えて、秋田犬の一日を守る。
そこまで考えて初めて、「秋田犬のための犬舎」と呼べるのだと、当犬舎は考えています。
どれほど立派な犬舎を造っても、
どれほど風通しを良くしても、
そこが汚れていては意味がありません。
秋田犬の健康を守る最後の仕上げは、毎日の清潔さです。
犬舎の中はこまめに掃除する。
スノコも清潔に保つ。
特に排泄物が残ったままにならないよう、日頃から状態を確認することが大切です。
できれば定期的に犬舎を隅々まで清掃し、清潔で気持ちよく過ごせる環境を整えてあげる。
それだけでも、犬の不快感やストレスを減らし、健康管理につながります。
反対に、スノコの汚れを長期間放置してしまえば、細菌などが繁殖しやすくなり、皮膚や陰部などのトラブルにつながる可能性もあります。
実際に、清掃が十分に行われなかった飼育環境で、牝犬の陰部に炎症や化膿が生じ、長期間にわたって治療を続けることになったケースもあります。
これは、決して他人事ではありません。
犬は、自分で犬舎を掃除することができません。
汚れていても、
「ここを綺麗にして」と言葉にすることもできません。
だからこそ、私たち人間が気づいてあげなければならない。
犬舎の掃除は、単なる「作業」ではありません。
愛犬の命と健康を守る、大切な愛情表現です。
綺麗なスノコ。
清潔な犬舎。
気持ちよく眠れる場所。
そんな当たり前を、毎日積み重ねていく。
秋田犬を大切にするということは、
良い犬舎を建てることだけではない。
その犬舎を、いつまでも清潔に守り続けること。
それもまた、一頭の命を預かった者たちの責任だと考えています。
このように、秋田犬はとても繊細な部分を持つ犬種だという実例をあげました。